記念誌
恋を叫ぶ
あと2時間25分。

あと1時間6分。

あと39分40秒。

あと12分7秒。

あと3分15秒。

3秒、2、1


「キーンコーンカーンコーン」
「はい。じゃー明日も元気に来ましょうね。礼ッ」
「さいならぁッ」

誰よりも何よりも早く教室を出て楽器室へ走った。
狭くて窮屈で息苦しい教室は嫌だった。
そして今日も

「はぁ。は…ァ-。また一番乗り。」

当然の事だった。
誰もいなかった。

「鍵取りに行くか。」
あたしは、ため息混じりに歩き始めた。
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