ドロップアウト
◇◇◇
木造二階建ての家を出るとそこにはソフィアと同じ制服を着て藍色の長い髪を高い位置で二つに分けた髪型をしている少女と、それによく似た男物の制服を着ている薄い茶色の髪をした少年と、同じく男物の制服を着ている赤毛の少年の計三名がいた。
ソフィアが家から出て来たことに気がつくと、可愛らしい容姿をした藍の髪の少女が楽しそうにこちらに手を振る。
「ソフィア~~!おはよー!」
「おはようルルア。セロンとレヴィもおはよう」
嬉しそうにソフィアに駆け寄っていく 藍色の髪の少女ことルルアと、
「おはよ。」
にこりともせず無愛想に朝の挨拶をする薄い茶色の髪の少年ことセロン・ウィーカスと、
「ふぁー....はよ...」
大きなあくびをしながら今にも目を閉じてしまいそうな赤毛の少年ことレヴィ・リーディンス。
彼らは毎朝木造二階建ての家にソフィアを迎えにきて毎日一緒に登校し、そして下校時は彼らの用事もあるため、日替わりでソフィアを家まで送っている。まあルルアは毎日のように下校時にも付いて来るが。
本当はチェルノが共に行動できればソフィアを守るためには一番いい。
だが、ソフィアがクライシア家に身を置いていることが明るみになり、王にばれてしまうわけにはいかないため、チェルノとソフィアの学校内での接触は極力避けなければならない。
そのため彼らはソフィアが王家の血筋であることは知らないが、クライシア家の養女で更に隠し子であることを知っている。
中等部時代からの親しい友人であった彼らはルークの信頼を勝ち得、高等部に進学する前に教えられたのだ。