ドロップアウト
だが、招待したとしても、それをソフィアが許可するとは限らない。
何故なら、あの三人のうちの一人は王を嫌っているからだ。
ソフィアが実は王女だと明かせばどんな反応をするかわからない。
もし、その人物の態度が豹変すればソフィアは心に更なる傷を負うことになる。
クライシア家に来たばかりの頃、ソフィアは今のような碧い瞳を持っていなかった。
その頃のソフィアは光を失い、影の差した蒼い瞳を持っていた。
もし、その人物が豹変したら。
ソフィアは影の差した蒼い瞳に逆戻りしてしまうかもしれない。
それだけはさけたかった。
五年間、ルークやマーシャやチェルノ、それにルルア、セロン、レヴィらと過ごす中でようやく取り戻した光を失って欲しくはなかった。