不登校児に気をつけろ
「こんにちは、柳瀬くん
今日も勉強頑張りましょう!!」
「毎日ありがとね、先生…
どうぞ中入って」
柳瀬くんは最初の頃と違い
私に笑顔を見せてくれるようになった
徐々に柳瀬くんは私に心を開き始めているんだと私は思った
「今日は、数学をやりましょうか」
「俺…数学苦手だぁ〜」
柳瀬くんは机に頭を置き、ペンを握ったまま勉強を放棄していた
「頑張ってください
出来たら、甘いお菓子をあげます!」
私は学校の帰りに買ってきた
ショートケーキを柳瀬くんに見せた
「マジ!?
おっし…!!俺、頑張る!!」
柳瀬くんはショートケーキを見ると
目をキラキラと輝かせて、数学の勉強を始めた
柳瀬くん、前に甘いものが好きだって言ってたけど…
まさか、ショートケーキでやる気を出してくれるなんて思わなかった…
私は少し驚きながらも、柳瀬くんの意外な一面を知り嬉しかった
そして、しばらく数学をしていたら…
「そして、ここをこの公式に当てはめると……って…
柳瀬くん、起きてください!」
柳瀬くんは、いつの間にか眠っていて…
私は柳瀬くんの肩を揺すったが、柳瀬くんは起きてくれなかった
あーあ…
熟睡してしまっている…
私は柳瀬くんの寝顔を見ていた
ホントに綺麗な顔…
生徒じゃなかったらなぁ〜
私は柳瀬くんの顔を見て、クスッと笑い
柳瀬くんに布団をかけた