Another Existence
daily
ーーーとある県の県内一の不良校。
飛川ーヒカワー高等学校。
通称 飛高ートビコウー。
そんな高校に通って早1年。
ギリギリの単位で進級して、
2年生になってから1ヶ月が経った。
俺、剣崎 伊近ーケンザキ イチカーは
今すごく眠い。
今日はポカポカ陽気の5月の最初の月曜日。
とても過ごしやすい気温のせいか、
はたまた、つまらない数学の授業せいなのかは分からないが、
コクコクと頭を揺らしながら眠気に襲われている。
夢の世界に後押するかのように、
教室の窓側の一番後ろの席に座る俺にとっては もう寝てください と言われているのと同じだ。
けれど、授業中寝た者には罰として課題が出されてしまう。
毎年その課題のおかげで、地獄を垣間見る被害者達が続出と噂の飛高の一種の伝統だ。
今現在授業を行っている数学の男教師の鹿島ーカジマーは、他の教師に比べて
課題の量がずば抜けて多い。
その鹿島に目を付けられて何回か課題をやらされた俺としては、その無駄な伝統を阻止しなければならない。
更に、鬼の鹿島は飛高の卒業生であり、飛高が生み出した県内一の暴走族の「飛龍」の元幹部。
鹿島が所属していた暴走族は今も健在していて、飛龍所属の男子達は鹿島を尊敬の眼差しで見られ、慕われている。
また、笑顔が爽やかなイケメン先生として女子からの人気もかなり高い。
けど、いつもニコニコしてて気持ち悪いし、元ヤンキーにしちゃ喋り方とか仕草が丁寧過ぎていて…なんつーか、俺の苦手な部類の人間だ。
アレのどこがいいのかさっぱり分からない。