Another Existence
まあ、鹿島のことはどうだっていい。
それより今大切な事は俺を襲う眠気だ。
色んな事に記憶を巡らしていたら本格的に眠くなってきた。
チラッと自身の腕時計をみると、授業はあと20分ほどで3限目が終わる時刻。
これくらい時間があれば軽く昼寝は出来るはずだ。
もう眠い時は寝てしまおう。
課題は、…多分どうにかなる。
昨夜は頭痛が酷くてまともに寝れずに朝を迎えたからか、
目を瞑るとフワッと力が抜けるように夢の世界へすぐ堕ちていった。
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「…いっちゃ…!…いっ……んっ!…
…いっちゃんてばっ!!」
「…っ!……ん、…はよ、理子ーリコー。」
「あ!おはよう!じゃなくて、
もうお昼!いっちゃん寝すぎ!
ねぇ、今日どこで食べる?
裏庭?教室?って、いっちゃん寝ちゃダメだってばっ!」
瞼を薄ら開ければ俺の瞳にアップで映る、天然のダークブラウンの肩まで
伸ばした髪と共に、
困った表情とは反対に俺の肩を激しく揺さぶる可愛いらしい女の子。
…キャピキャピしていて元気なこの女の子は、俺の友人の一人の
皆川 理子ーミナガワ リコー。
理子の身長は確か155cmだが、
身長178cmの俺にとっては、小動物みたいなもん。
性格も犬みたいで、身長も小さいから動物に例えるなら間違いなく子犬だと思う。