365日、君を想う
一瞬、音が聞こえ無くなった気がした。
まるで、無酸素空間に放り込まれたかのよう。
息ができない。
しばらく固まっていたけれど、一分くらいしてハッとした。
慌てて外を見ると、もうそこに二人の姿は無かった。
何だか、嫌な気分。
一分間、全然呼吸できてなかったのかも。
何でだろう。軽くショック受けた?
いやいや、有り得ないって。あんなナンパ男にどうショックうけろと。
てか、人んちの前でイチャつくなよ。
あれ?あたし何か混乱してる?何かゴチャゴチャ…。
「…落ち着け、あたし……。」
ハァ…と溜息をつくと、ゆっくりソファーに座った。
段々落ち着いてきた。
整理も出来てきた。
「…そっか。彼女いるとか言ってたっけ。あの人か。」
顔はよく見え無かったけど……。
背中あたりまでのびたサラサラストレートと
スタイルが良いってことは分かった。
きっと、顔立ちも綺麗なんだろうな。
あいつ、何気に顔は良かったし。
彼女もきっと美人なんだろうな。
…あたしには関係ないけど。