365日、君を想う
楽しいバースデーパーティーも終わり、二人は「また明日ー」と帰って行った。
一人、残されたあたし。
「………暇」
あたしは高校入学を機に、一人暮らしを始めた。
再婚したばかりのあたしの母親。
そんな新婚ホヤホヤの二人の間に、あたしはただの邪魔物に感じて。
それはもう、何て言うか。居心地が悪くて…自分に居場所が無くなったような、そんな気がしていた。
だから、反対する母親を押し切り、一人暮らしを始めた。
だけど、これはこれで寂しい。
母親と二人で暮らしていた時は、あたしが家事を受け持ち、母はひたすら働いていた。
苦労はしたけど、母の愛情はちゃんと身に染みていたから…。
笑顔のたえない、明るい家庭だった。
好きな本も、服も。満足に買えなかったけれど…。
幸せだったの すごく。
母の再婚は素直に嬉しい。新しい父もとても良い人だし、稼ぎも良い。
これからは本も服も、好きなだけ買ってもらえる。
だけど………
どこか、寂しかった。
何かが、変わってしまう気がしたの。