幸せ行きのチケット
運命だと私は思ったから。

祐輔とずっと一緒にいたいと思ったから。

私は祐輔についていく。

何があっても祐輔についていくって決めた。

もう誰も失いたくないから。

そう決意したあの日を思い出し、笑みがこぼれた。

待ち合わせ場所は、直接水族館にした。

その時間遠回りになる子などがいるため、直接行こうと亜由美が言っていた。

水族館へ向かう電車の中、一組のラブラブカップルがいた。

『久美ちゃんマジこのバラのネイル可愛いじゃん☆』

『雅君。これバラやなくてチューリップ。雅君のば〜か☆』

この光景はなんとなく私達に似ていた。

少し前の夏休みの私達のように、それは本当に幸せな様子だった。

今はちょっと、うらやましいと思えた。

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