幸せ行きのチケット
「実感ないねぇ。今日で最後なんて」

「うん………。てか、友利は今日お父さん来る?」

「来ないんだな〜。残念やけど、仕事やからね」

そっか…と少しうつむく私。

友利はそれでも笑顔で私に問う。

「亜由美は………どう?」

その問いだけではどのことか分からなかった。

でも、なんとなく分かった気がした。

「今日、久しぶりにお母さんって言った。」

嘘!っと友利は驚いた。

「うん。なんか、やっとって感じ。」

「うん………。なんか、うちらもやっとって感じ。」

そう、ウチらやっと気持ちがつながったね。



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