男のジャンル
今日も相変わらずで、彼女はまっすぐ帰宅をしないらしい。

鏡とマスカラ、チーク、その類しか詰まっていない鞄を担いで、「今日の人は素敵なの。何でも買ってくれる」と日替わり金づるめがけ出掛けて行った。

バイトよりもよほど高収入なのだとか。

お金のためにそんなことをと聞いたら、それ以外何があるのと聞かれて、確かに、と納得した。


男は金がものを言うなら、女は体がそれに見合った品物らしい。

彼には自分と同等の存在が複数名いることを彼女もとうに知っている。

そこには何の違和感もない。

だって、自分もそうだから。

愛を語る生物だと思っていたのは、ずいぶん遠い昔の話だ。


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