Rose of Blood　【リメイク版】
何度か人間に会った事があるが、みな怯えた顔をして俺たちヴァンパイアを見ていた。ルカもここに来た当初はそんな顔をしていた。

あの時でさえ傷付いたのに、またルカにそんな顔を向けられるかもしれないと思うと耐えられなかった。そんな顔をされるくらいなら、このまま我慢した方がずっとましだと思った。


「まさか心配してくれていたとはな……。」


ルカの言葉に耳を疑ったが、正直嬉しかった。計り知れない程の恐怖と不安があっただろうに、それでも俺の為を思い涙を流してくれた。愛しさは増すばかりだ。

ルカの血は甘く心を癒してくれるような優しい味がした。それはローズの血と似ていた。だが決定的に違うところは、いつもの様に力がみなぎる様な感じがしなかったところだ。恐らくそれはルカが人間だからだろう。

『ずっと傍に居てほしい。』と言ったルカ。その言葉を聞いて改めて、一生傍で、この手で守りたいと思った。


「愛してる。」


ルカの頭にそっとキスをして、俺も眠りについた。
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