Rose of Blood　【リメイク版】
視界が高くなり、景色がさっきと全然違う様に見えた。

学生の時馬術部だったお父さんは今でもたまに馬に乗っていて、それについていく事があった。

お父さんとお母さん、元気にしてるかな……。


「この子の名前は何ていうの？」


寂しさを誤魔化す様に名前を聞いた。


「デュオだ。」

「デュオ、私はルカ。　今日は宜しくね。」


デュオの首元をそっと撫でた。綺麗な毛並みをしていて、ちゃんとお世話をしてもらっているんだなって思った。

シエルは私の後ろに乗り、手綱を取った。後ろから抱きしめられている様な体勢になり、落ち着かなかった。


「少しの間城を頼む。」

「あぁ、ゆっくりしてくるといい。」


ジョシュさんに「行ってきます。」と言うと、シエルがデュオを走らせた。

胸のドキドキは直ぐに治まった。それは外の景色に目を奪われたからだ。

森の中は空気が澄んでいて、穏やかな風が吹いている。

暫くすると、目の前に大きな湖が現れた。水面は太陽の光が反射してキラキラしている。


「うわぁ……キレー……。」


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