Rose of Blood 【リメイク版】

シエルはいつの間にかデュオから降りていて、感動している私を抱き下ろしてくれた。サラッとこういう事をされると、女の子の扱いに慣れてるのかなと思ってしまう。この容姿で200年以上生きてるのに慣れてない方が可笑しいのかな……。


「もう少し湖の近くへ行こう。」


荷物を持ったシエルに手を引かれ、湖の傍へ寄った。


「この辺りに座ろう。」

「うん。」


荷物の中からシーツを取り出して敷いてくれた。洋服が汚れない様に持ってきてくれたんだ。


「ありがとう。」


シートの上に座ると、次々と容器が並べられた。容器の中にはフルーツが入れられていて、いろんな種類のフルーツが並べられた。それに飲み物も持ってきてくれていて、水筒からカップに注いでくれた。

お茶の香りが鼻を掠めた。紅茶の良い香り。


「料理長に頼んで急いで用意してもらった。」


これを用意してたから遅かったんだ……こんなに嬉しいサプライズをしてもらえるなんて思ってもいなかった。


「特に苺を多めに入れてもらっている。」

「え？」

「好きだろう？」