COLORS 赤の章「この色を君に捧げる」
それから、1週間電話しても、拓哉は出なかった。

1週間後。

『麻衣子?ごめん、ずっと連絡しなくて・・。クリスマスも行けなくて悪かった』

やっときた拓哉からの電話。

麻衣子は怒りたい衝動を抑えきれない。

『私、見たんだ。クリスマスに並木道を赤の似合う女性と歩いてたでしょ?』

『え?』

『どうして?私が赤を着たがらないから?そんなに、そんなに赤が似合うコが好きなら、別れてくれればいいじゃない!!』

『・・・麻衣子は別れたいの?』

麻衣子は涙が出そうになるのを必死でこらえる。

『・・・うん、もう会いたくない』


あの日私はそのまま黙って電話を切った。

それから数週間後、私は拓哉に会いたい衝動を押さえきれず、拓哉に電話をした。

何度電話しても拓哉は出なかった。

家に行っても引っ越してしまったらしく、拓哉がいたアパートの部屋には別の人が住んでいた。

もう二度と会えないと思っていた拓哉。

1年ぶりに、やっと拓哉に会える!!

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