COLORS 青の章「開かない窓」
開かない窓
いつも開かない窓。
そんなものがあなたのそばにあったら・・・
あなたはどうしますか?
「あっれ~?また開かないな、この窓」
佐倉塔子、22歳。
大学を卒業したての新入社員だ。
旅行会社にすんなり就職し、今は総務部に配属されていた。
どこにでもいる普通のOL。
特に目立つわけでも、目立たないわけでもない。
塔子の今の心配事は彼氏ができるかということと、
いつも開かないこの窓・・・。
塔子は物品庫の空気の入れ替えをするために、たった一つだけある小さな窓を何度も開けようとしてきた。
「どうしたの?佐倉さん」
声をかけてきたのは、営業の3つ年上の内藤礼司だ。
内藤は明るい笑顔が印象的ないかにも営業マンらしい男。
新入社員歓迎会の時、塔子に真っ先に声をかけてきたのは内藤だった。
今のところ塔子にとって、内藤が一番親しい男性社員ということになる。
「内藤さん。この窓どうして開かないんですか?」
「開かないはずないけど、ちょっとどいて」
そう言うと内藤は、窓を両手でつかみ思い切り引っ張る。
ギシ・・・。
かすかに動く気配がしたかと思ったが、窓は頑なに開かれることを拒む。
「変だな~?君が入社前は開いてたんだぜ」
「え?そうなんですか!?」
「ああ。ここ狭くて湿気も多いだろ?たまに窓開けて空気入れ替えてたんだけど・・・」
そうなんだ。
私が入って1ヶ月。
まだこの窓が開いたところを見たことがない。
「君が壊したんだろ~?」
内藤がいじわるっぽく笑い塔子をからかう。
「ひど~い!!私そんな馬鹿力じゃないもん!」
塔子は怒ったようにゲンコツを作って内藤を殴るふりをする。
パシ。
内藤は、塔子の腕をつかんだかと思うと、あっという間に塔子の唇を奪った。
塔子はあまりに突然の出来事に目を見開いたまま抵抗も忘れてただ立ち尽くす。
内藤はゆっくりと塔子から体を離し、いつもの明るい笑顔とは違う真剣な表情で
「好きだ」
と、囁いた。
そんなものがあなたのそばにあったら・・・
あなたはどうしますか?
「あっれ~?また開かないな、この窓」
佐倉塔子、22歳。
大学を卒業したての新入社員だ。
旅行会社にすんなり就職し、今は総務部に配属されていた。
どこにでもいる普通のOL。
特に目立つわけでも、目立たないわけでもない。
塔子の今の心配事は彼氏ができるかということと、
いつも開かないこの窓・・・。
塔子は物品庫の空気の入れ替えをするために、たった一つだけある小さな窓を何度も開けようとしてきた。
「どうしたの?佐倉さん」
声をかけてきたのは、営業の3つ年上の内藤礼司だ。
内藤は明るい笑顔が印象的ないかにも営業マンらしい男。
新入社員歓迎会の時、塔子に真っ先に声をかけてきたのは内藤だった。
今のところ塔子にとって、内藤が一番親しい男性社員ということになる。
「内藤さん。この窓どうして開かないんですか?」
「開かないはずないけど、ちょっとどいて」
そう言うと内藤は、窓を両手でつかみ思い切り引っ張る。
ギシ・・・。
かすかに動く気配がしたかと思ったが、窓は頑なに開かれることを拒む。
「変だな~?君が入社前は開いてたんだぜ」
「え?そうなんですか!?」
「ああ。ここ狭くて湿気も多いだろ?たまに窓開けて空気入れ替えてたんだけど・・・」
そうなんだ。
私が入って1ヶ月。
まだこの窓が開いたところを見たことがない。
「君が壊したんだろ~?」
内藤がいじわるっぽく笑い塔子をからかう。
「ひど~い!!私そんな馬鹿力じゃないもん!」
塔子は怒ったようにゲンコツを作って内藤を殴るふりをする。
パシ。
内藤は、塔子の腕をつかんだかと思うと、あっという間に塔子の唇を奪った。
塔子はあまりに突然の出来事に目を見開いたまま抵抗も忘れてただ立ち尽くす。
内藤はゆっくりと塔子から体を離し、いつもの明るい笑顔とは違う真剣な表情で
「好きだ」
と、囁いた。
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