草花治療師の恋文
セイリンが当主のライザに呼ばれ、話を聞いてから、セイリンはマーガレットに付きっきりになっていた。
あの時ライザからは、クルガがマーガレットに向けている気持ちが、姪に対する愛情ではないという事、それを何らかのきっかけで知ってしまったマーガレットが、ショックで言葉を失った事を教えてもらった。
ただ…
(本当に原因はそれだけだろうか?)
疑問は残ったが、セイリンはライザからこれから先も、マーガレットの側でずっと支えになって欲しいと頼まれた。
当主からの懇願に、セイリンはもちろん二つ返事をした。
ライザから言われなくても、許される限りマーガレットの側にいるつもりだった。
言葉を失ってからしばらく、マーガレットは外に出ようとはせず、部屋に引きこもる日々が続いていた。
セイリンが声をかけても、心ここに在らずの時も多くあった。
その姿を見ると、まだほんの10歳の少女が心の傷を負ったのだと改めて痛感した。
それでもセイリンは焦る気持ちを隠しながら、マーガレットと向き合っていこうと決めて、半年間接してきたのだ。