溺愛オオカミくんと秘密の同居。
ファーストキスって、こんなに苦い物じゃないでしょ?
ツーと目から涙が一筋溢れた。
私の涙が、唇の所まで行きしょっぱいキスになる。
私が泣いた事に気付いたのか、水無瀬くんは唇を離してくれた。
「……もういいわ。」
水無瀬くんは、吐き捨てるようにそう言うと、2階へ上がって行った。
終わっちゃった完全に……、水無瀬くんと。
ファーストキスは、甘いなんて言うけどしょっぱくて苦かった。
私は、まだ熱を持った唇を押さえながら静かに涙を溢した。