溺愛オオカミくんと秘密の同居。
水で流れれば良いのにな、こんな気持ち。
と、手を洗いながらそんな事を考えてしまった。
手をハンカチ拭きながら、トイレを出ると黒髪の男の人は壁に寄り掛かりながら待ってくれていた。
「すみません……!待たせてしまって……」
「ううん、大丈夫だよ」
「じゃあ、戻りまし……「華湖ちゃん」
戻りましょう、と言おうとした私の言葉を遮る黒髪の男の人。
「華湖ちゃんさ、今付き合ってる人いるのかな?」
「今は、……いません」