溺愛オオカミくんと秘密の同居。
家の前にとめた車から降りると、何やら美味しそうな匂いが漂ってきた。
腹減ったなぁ、と思いながら玄関の扉を開けると、ガチャガチャと鳴っていたお皿の音が鳴りやみ、変わりにパタパタというスリッパの音が聞こえたかと思うと、
「おかえり。今日もお疲れ様」
顔をひょこりと出して可愛くニコリ、と微笑んだのは高校の時より綺麗になった華湖。
あれから8年がたった今、26となった俺は大手企業で働いている。そして、
「ぱぱー」
「おー、陽多。ただいま」