夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
呆れてたな。
そりゃそうだ。
いい年して、中年の酔っ払いもかわせなくて。
二駅先にまでつき合わせちゃって。
しかも抱きしめる羽目になって。
思い出すとまた顔に血が上る。
私、汗くさかったかも。
恥ずかしい。
ってか、一緒に急行に乗らないで、一人で後から来る各駅停車で帰ればよかったじゃないか!
今更に気付いて、自分のバカさに涙が出そうだ。
今度からは絶対そうしないと。
碧はぎゅっとバッグを握りしめた。