夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)


でも慣れてもらったら困るか。


付き合うとか、そんなつもりないし。


宗雅はそう結論付けると、見ているだけだった資料を読みだした。


意味のない、堂々巡りを繰り返していた会議がやっと終わると、他の理事たちに捕まらないよう会議室を早足で抜け出す。


西門に向いながらM棟を見上げた。


事務室は今日も真っ暗だ。


調査が終わったばかりなんだから、早く帰りたいだろう。


色々と予定あるだろうし。


色々。


宗雅はまたそう思うと、視線を外した。
< 132 / 334 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop