夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
今度は同時だ。
そして二人でまた眠りに落ちる。
再び碧が目を開けたのは、騒々しい物音でだった。
「起きた?
シャワー浴びますか?
今すぐ出れば、一旦家に帰って着替えられます」
ぼんやりと言葉を反芻してから、碧は体を固めた。
宗雅は背を向けてワイシャツのボタンを留めている。
碧はバスルームに飛び込んだ。
髪の毛を洗うのはあきらめて、ボディーソープを泡立てた。
久々の行為だったから、胸も足の付け根も違和感があるのに赤面する。
無理やり頭から追い払い、すっぴんになってしまったことを気にするが、いつもほとんど化粧をしていないのだか
ら、たいした違いはないと開き直る。
バスローブ姿で部屋に戻ると、宗雅はスマホを見ていた。
「すぐ着替えてきます」
散らばった服をかき集めて言うと、宗雅は顔を上げずにうなずいた。