夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
そんな上級者だから、こちらの気持ちなんてバレバレで、だからあの時も誘ったんだろうな。
まんまと乗りましたけど。
でもラッキーです。
アラサーであんなハイレベルの男と寝れたので。
どうせこの先、一生独身か、お見合いで“いかにも中年男性”と結婚するだけだろうし。
すごくいい思いをしました。
ふと気付くと、武下が不審げに鏡越しに碧を見つめている。
目が合って、やっと碧は気がついた。
そうか、これは牽制されているのか。
「頑張ってください」
碧はとっさに言葉にすると、武下の目が鋭くなった。
「し、失礼します」
引きつり笑いを浮かべると退散した。