夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
「わかりました」
碧はうなずくと、二人は再びいくつものドアを施錠して、戻っていく。
閉塞空間だったせいか、なんだか息苦しかった。
宗雅はつきそうになったため息をごまかして、愛想笑いを張り付けた。
「なるべく早くお返ししますので」
「事業団の補助金は6月辺りから動き始めますので、それまではお持ちいただいても大丈夫かと思います」
「わかりました。
ありがとうございます」
宗雅は微笑と共に軽く頭を下げるとM棟を出た。
プロジェクトの事務室はA棟にある。
プロジェクト室では全員がデスクについて、仕事らしきことをしていた。
このプロジェクトメンバー。
実はどうしようもない奴らの集りだ、と思っている。