夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
7.
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宗雅の言葉に期待してはいけないと思いながら、片隅では執念深く期待したりする。
でも宗雅のお誘いは入らなかった。
やっぱり、リップサービスですか。
場数が少ないだけに、見破るのは難しい。
邪念は捨てて、仕事に集中しなくては。
秋の大イベントである科研申請が始まったのだ。
メールで送付された申請書類を片っ端から目を通す。
誤字脱字はもちろんだが、更に審査に通りやすいように内容にも手を加える。
こうすることによって科研の受託率が上がるのだ。
だが、その場合は変更箇所を教員に了解をとらなくてはいけない。
手間ばっかり増えるのに、何も見ずにそのまま提出してしまえ、と、しばしば衝動にかられる。
しかも補助金の見直しの時期とも重なっていることもある。
ああ、やっぱり人員を増やして欲しい。
心の中で願うだけでなく、部長にも言った。