夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
結果。
人員は増えず、庶務課から時間が空いた時に手伝ってくれるようになっただけだ。
ありがたいは、ありがたいけど・・・。
それでもこの時間にもなると、今日も1人だ。
碧はチェックが終わり、提出可になった申請書をプリントアウトすると、種別ごとの茶箱に入れる。
「相変わらずですね」
思わぬ声に肩が跳ねた。
プリンターの音で足音に気付かなかった。
振り返ると宗雅が少し意地悪く笑っている。
相変わらずですよ。
胸の中で悪態をつき、少し会釈する。
「なにか?」
精一杯、丁寧な口調だ。
あんなことになってしまったことを、全く気にしていないように。
年上のプライド。