夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
宗雅は無視して、借りてきたファイルを早速にめくる。
最初に補助金の要綱、提出書類とまとまっていた。
要綱と記入要領に目を通して、動きが止まる。
申請用紙と突合せをし、記入してある概要を読んでやっと理解がすすんでくる。
だけどこの要綱だけで、よく申請書を作れるな。
作成の手引きみたいのがあるのだろうか。
結局、また彼女に聞かなければ進まないようだ。
気が重いと言っちゃ重い。
彼女を前にすると、真摯に行動しなければいけない気になる。
息苦しいんだよな。
申し出があったんだ、ミステリアスな女が好きな先輩に投げてしまうか。
ちらりとみると、開店したばかりの洒落たレストランのホームページを見ている。
宗雅は出かけた言葉を飲み込むと、要綱と事業団のホームページを見ながら、解読を再び始めた。