夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)


初めてのことにどぎまぎしたが、嬉しいのでそのままにしていると、やがて手は太ももに降りた。


とたんにピリッと碧の体の中が反応する。


手は置かれたまま、優しく指がなぜる。


直線だったり、曲線だったり。


こんなところで危ない気分になるのですが。


碧の顔に熱が集まる。


部屋だったら、速攻で宗雅の膝に乗り、自らキスしにいっている。


いいじゃない。


がっついても。


碧は胸の中で誰かに反論する。


少ないチャンスなんだから、一つでも生かさないと惜しいんだから!


だがここはタクシーの中なのに、碧は大人しくしていた。


体の熱は高まっていくし、口の中は乾く。


今すぐにでも、宗雅の喉元をくちびるで触れたい。
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