夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)


ふっと笑う空気に横目で見ると、宗雅の目が熱っぽくきらめき、口元でいたずらっぽく笑っていた。


からかっているな。


欲望で潤んだ瞳で思わず睨み、手を振り払おうとしたら、太ももをぐっと握られた。


叱るような目をする。


わかりましたよ。


碧は振り払おうとするのを止め、宗雅と反対の窓を眺める。


せめて外を見ていないと、気がまぎれない。


やっとマンションに着いたときは、すでに1回目をしてしまったように、ぐったりだった。


エントランスに入ると宗雅が碧の手を掴み、早足でエレベーターに連れ込む。


ドアが閉まると腰を引き寄せられ、くちびるを喰われた。


待ちきれないように、手が太ももからヒップへとなで上がる。


かすかな振動でエレベーターが止まると、くちびるを離した。
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