夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
*
勝手知ったる場所からバスタオルを出して使い、洗濯機に投げ入れる。
どうせベッドにもぐりこむだけだから、そのまま裸で出て行った。
ベッドに手をついて、碧の耳元に口を近づける。
「碧さん、シャワーどうぞ」
返答がないのに、顔を覗き込んだ。
なんだか痛そうな寝顔だ。
宗雅は気になって上掛けを引いた。
背中は赤いが、擦り傷はない。
でも、丸くなっている。
宗雅はそっと膝を抱え込んでいる腕をほどき、足を緩めてあげてから、隣に横になった。
後ろから抱きしめる。
宗雅の暖かさが伝わると、碧の体からこわばりがほぐれるのがわかった。
最低な男という自覚はある。