夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
「おまえ、本当に目を惹くのな」
席に付いて瀬戸内が茶化した。
「そうですか」
宗雅はしらっと答えると、後輩の上原がうなずいた。
「店にいた女子全員、間違いなく見ましたよ」
「だから昼飯で外に出る時は、居酒屋のランチとか、牛丼屋とか行きたがるのか」
「そういう訳じゃないですけど」
そのとおりだ。
女子と一緒であれば声はかけられないのだが、男子だけでそんなところに行ったら、間違いなく声がかかる。
愛想よく断るのも面倒なのだ。