夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
「内藤さんの彼女も大変ですねー」
上原がくすくすと笑った。
そんなの知らん。
宗雅はただ笑ってメニューの文字を追う。
「あれ?」
瀬戸内が素っ頓狂な声を上げたのに、宗雅は目を上げた。
誰かを見ている。
その視線の先をたどって、固まった。
向こうも無表情に固まっている。
なんで平日の昼間に彼女がここにいるんだ。
疑問はあるが声をかけないのもおかしいと思って、宗雅は立ち上がろうとした。
「ちょっとごめん」
その前に瀬戸内が歩み寄っていく。