夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)


「いやいや違うよ。
 大学の時の知り合い」

「知り合いって、元彼女って事ですよね~」

「ん?まあ?」


佐野に突っ込みに答える瀬戸内のもったいぶった口調に、イラっときた。


「僕も、この間のプロジェクトでの知り合いなんで、声をかけてきます。
 あ、HAMBURGER & FRIESで」


注文を聞きに来た女の子に笑いかけ、宗雅は3人の反応を見ることなく、まっすぐと碧に歩み寄った。


寄ってくるのが見えていた碧は、椅子の背に張り付くように身を引いていた。


無表情だが、若干おびえたような色が瞳の中にあって、余計にいらいらする。


「こんにちは」


それでも宗雅はにっこりと笑った。


碧は軽く頭を下げた。
< 220 / 334 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop