夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
「いやいや違うよ。
大学の時の知り合い」
「知り合いって、元彼女って事ですよね~」
「ん?まあ?」
佐野に突っ込みに答える瀬戸内のもったいぶった口調に、イラっときた。
「僕も、この間のプロジェクトでの知り合いなんで、声をかけてきます。
あ、HAMBURGER & FRIESで」
注文を聞きに来た女の子に笑いかけ、宗雅は3人の反応を見ることなく、まっすぐと碧に歩み寄った。
寄ってくるのが見えていた碧は、椅子の背に張り付くように身を引いていた。
無表情だが、若干おびえたような色が瞳の中にあって、余計にいらいらする。
「こんにちは」
それでも宗雅はにっこりと笑った。
碧は軽く頭を下げた。