夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)


「年度が変わったので、調査が忙しいんじゃないですか?」

「はい」


うなずいてから、あわてて思い出したように言葉を足した。


「プロジェクトが出していただいた報告書のお蔭で、人員が増えました。
 ありがとうございました」

「当然の報告をしただけなので。
 今日はお休みですか?」


碧はうなずいた。


言葉がないのに宗雅は待ちの姿勢をとった。


「代休です」


ぽつりと足される。


ちょうど1年前の出会ったばかりのように、人見知りをしている感じ。


距離が戻ったことに宗雅は焦れたが、それは自分が望んだことだ。


でも思わず詮索してしまう。
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