夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)


「どうした?」


瀬戸内が不思議そうだ。


「なにがですか?」


不機嫌さを隠さずに答えて席に着く。


「いや、なんかさ」


瀬戸内が言いよどむのを宗雅は無視して、ハンバーガーにナイフを入れた。


「あ、うまい。
 佐野さんは?」


隣の後輩に向かってにっこりと笑うと、佐野は頬を赤らめて“おいしいです~“と答える。


「そうだよな。
 社食もこのぐらい旨いといいよなあ」

「それは無理ですよ~。
 コストが違うと思います」


もう一人の後輩の上原が瀬戸内を突っ込むと、瀬戸内は“そうか~?”と嬉しそうだ。


そして“あ”と片手を挙げた。


碧が軽く頭を下げ、カフェを出て行く。
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