夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
「まあ、そうなの」
「先輩、意味わかりませんよ」
宗雅がうんざりしてきた。
逃したわけじゃない。
知っているだろうに、こういうからかい方をわざわざしてくる。
しばしばメンドクサイと思うが、人としては嫌いじゃないし、仕事上で色々と尊敬するところはある。
だから誘われて、藤井夫妻とアフタヌーンティーをし、次回はディナーを一緒にすることを約束して別れた。
中途半端な時間に、サンドウィッチやらスコーンなどを食べてしまったのに、夕食に困る。
実家で暮らしていたから、食事はもっぱら外食だった。
だが今は食べる気にはなれないし、帰ってからまた出かけるのもメンドクサイ。
何かテイクアウトできる物を買って帰るか。