夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)


なぜ自分は、頑なに誰も連れて行かないなんて思ったんだろうか。


なぜ妻という存在が依存だとか思ったのか。


“目が開かれる”。


高校を卒業するまで、毎日受けていた礼拝で聞いていた聖句がよみがえる。


そういう意味ではないし、聖書に対して冒涜のようだが、思い浮かんでしまったんだからしょうがない。


あのメンドクサイ男の毒気にあたったのか。


一旦、心が固まれば、何があってもぶれない。


宗雅は口元で少し笑うと、歩を進め、口を開いた。
< 233 / 334 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop