夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
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「ここまできて、寿司?」
忘れられない声が背後でした。
碧は恐る恐る振り返る。
ジーパンにシャツというラフな姿をした宗雅が、からかうような微笑を浮かべていた。
「内藤さんだって」
思わず反論する。
「おれはここ在住だし。
旅行、でしょ?」
上から下まで視線でなめられ、思わず顔を赤くする。
「だって・・」
言葉の最後は口の中に消える。
「なに?」
「夜のレストランに一人で入るのは、気が引けるので」
そっけなく告げてショーケースに向き直った。