夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
「辛いのは大丈夫?
インド料理はどう?」
碧はうなずいた。
辛い物は好きだ。
宗雅は小道に入ったインド料理店の席につくと、やっと碧の体を離した。
息苦しさは無くなったが、離れた熱が恋しい。
碧は気持ちを誤魔化すようにメニューを広げる。
「ロンドンに留学だったんですね」
宗雅はメニューから目を上げてうなずいた。
「言ってなかったっけ?」
「行先まで言ってないですよ」
「葵先生と同じところですよ」
少しからかっている口調。