夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
「まあ、こっちはMBAだけどね。
葵先生はPhDでしょ?
頭いいよね」
「その分、変ですけど」
「あ~」
碧の言うことがわかるらしく、愉快そうに笑っている。
宗雅は碧のリクエストを聞いてから、綺麗なブリティッシュイングリッシュで注文をしてくれた。
「碧さんは旅行?」
「はい」
「友達と?」
「あ、いえ」
宗雅の目が油断無く光っていて、ちょっと怖い。
「彼氏?」
「いえ、一人です」
碧はちょっと躊躇しながら答えた。
さびしい奴と思われただろうか。
いいですよ、実際そうですから。
ちょっとむくれた気分で、注文してもらった炭酸水を飲む。