夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)


「うん、なるほど。
 まだある?」

「色々と、ごめんですから」

「うん、だから何が?」


一瞬、碧が躊躇する。


「碧さん?」

「わ、私、今年で31で、そうやって都合よく使われて、3年後とかに帰国した後、捨てられたら、もう35とかで、もう・・・。
 色々とリミットあるのでっ」

「確かに」


宗雅は碧の目をみつめながら呟く。


恥ずかしかったらしく、顔も赤いし、目もうるんでいる。


「じゃあ、単身赴任にしよう」


にっこりと笑った宗雅を恐ろしそうに見つめ返している。


「意味、わかりません」

「だから、夫はロンドンに単身赴任ってことで」


あ、固まっている。


宗雅は碧の顔を愉快そうに眺めた。

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