夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
「ああ、まあ、いいんじゃない」
「顔が、無理してますよ」
「そう?」
「いいです。
こっちにします」
宗雅が最初に選んだシンプルなのを指差した。
「一生使うので、年取っても似合う方にします」
「うん、一生ね」
にやにやしているのを横目に、碧は指輪をはめ替えようとした。
宗雅が手をとって、はめ変えてくれる。
はめてみると、シンプルな方は碧の指に映えた。
宗雅は碧が気に入ったのをみると、それに合わせたマリッジリングを選びだす。
愉快そうに店員とやり取りをしながら、全部に刻印をお願いし、明細にサインをした。
うわー、なんだか0の数を数えちゃうけど。
というか、ここまで物をそろえたということは、やっぱり結婚するのかな。
なんとなく宗雅の横顔を見つめる。