夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)


「なんか思考が読めるけど、碧さん」


えっ?そうなの?


「言葉、出そうよ。
 まあ、いいや。
 そうじゃないからね。
 はい、帰るよ」


碧の手を取って、宗雅は歩き出した。


店を出ても、指を絡めてずっと歩いていく。


宗雅はご機嫌な雰囲気だ。


“そうじゃないから”


素直に受け取って、舞い上がれないのは、なぜだろう。


年取ると、疑り深くなるよね~。
< 270 / 334 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop