夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
「へ~・・・え?」
宗忠は目をぱちくりさせた。
「普通に勤めている人って?
え?それって?」
宗忠は父親に視線を移した。
「あいつに無理にあてがえば、変わらず傍若無人に振る舞うだろう。
やがて理事長になっても、ハニートラップとわかっていながら頓着しないで行動する。
教育機関である以上、その手のスキャンダルは徹底的に避けたいからな。
それが封じられるなら、充分、価値がある」
あ、なるほどね。
って、相変わらずだね、この人。
改めて父親を眺める。
宗雅にはあまりにも干渉しないで、好きにさせたい放題で、留学まで許しているからあきらめているのかと思っていた。