夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)


「これからの学校経営にMBAは邪魔にならない」


息子の心中を読んで、宗重はにやりと笑った。


自由に泳がされているようで、実は上手く誘導されている?


もしかしたら自分もかもしれない。


宗忠の笑顔が引きつり気味になった。


「そうじゃないのよ、たーちゃん」


静香がにこにこと笑った。


「親だから本人より見えている所があるだけよ」


胸の内を見抜いた返答に宗忠は母親に笑い返す。


「その通りだ。
 さて、次は宗忠。
 お前に話がある」


宗忠は、やっと自分が呼ばれた真意が、この署名のためではないことに気が付いて、笑いがひきつった。
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