夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)


「すいません」

「いいけど。
 早く出してよ。
 退職届はタイミングがあるだろうから任せるけど、婚姻届はいいんじゃないの?」

「でも・・・ご挨拶もしていないので・・」


宗雅の両親に挨拶もしないで出すのは、やはり気が引ける。


「だから、電話しておくって言っているのに」


宗雅はため息をついた。


電話での、いつものやりとりなのだ。


でも、一人で挨拶をしに行くなんて、普通じゃない。


宗雅はもう一つため息をついた。


「クリスマス休暇に帰国するから、その時に行こうか。
 で、婚姻届も一緒に提出に行こう」


新たな提案に碧の気持ちがぐぐっと上がった。
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