夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
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「碧ちゃん、まだ内藤さんって呼んでるの?」
「そうなんです。
いつ気付くのかなあって思ってるんですけど」
宗雅はにやっと笑った。
碧は口の中の物を一気に飲み込む。
藤井は憐みの目で碧を見つめた。
変だった?
いや、変だと思いますけど、きっかけがなかったんです。
この人も何も言わなかったですしー。
心の中で必死に自分を弁護する。
碧が晴れてロンドンにやってくると、早々に藤井夫妻に食事に招かれた。
碧は結局、この道を選んだ。
平穏な毎日は捨てがたかったし、母と同じように離婚するかもという不安もあった。
でも、事あるごとに後悔すると思ったのだ。
あの時、踏み出していればと。
行動して後悔するより、ずっと悪い。
自分は、そう考えるタイプだ。