夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
「しようね、結婚式」
夜道にからかう調子の言葉が響く。
やっぱりお見通しだ。
碧はうなずいて、嬉しさで緩んだ口元を隠すように俯いた。
「おれが年下だって、あなたの意識に強くあるみたいだから、後ろをついて来いって言わないよ。
かと言って、おれが年上のあなたについて行くって言う性格じゃないし。
だから肩を並べて歩いていけばいいでしょ」
宗雅は振り返って色気のあるウィンクをした。
ああ、動画を撮っておきたかった。
もう一度やってほしいって言ったら、怒るかな。
言葉の割には引きずられ気味に歩いているが、そこは突っ込まない。
そういう意味じゃないし、ね。