夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)


「来ているの、ボディーガードだと思う。
 だから話し合いにならない」

「おいおい」


宗雅は疲れたように髪をかきあげた。


またチャイムが鳴る。


「居留守、つかいます?」


碧が恐る恐る口を挟むと、彼女は視線を碧に移した。


「出た方がいいと思う。
 拉致されているかと思って、乱入してくるから」

「ったく、麗華、おまえも一緒に来い。
 チェーンは外さずに俺が出るから、拉致じゃないことを説明しろ」

「あ、そうだね」

「まったく、おまえは昔っから、とんでもないことを引き起こすんだから」

「いいじゃないの。
 人生楽しく、よ」

「ちっとも、楽しくねーよ」


宗雅はぶつぶつ言いながらインターホンを押す。
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